明晰夢ばっかり見るし内容が全部悪夢な件。
最初に明晰夢を見たのはいつだったか……。
それくらい昔から日常的に明晰夢を見ている。
当事者の見解としては『日頃殺してる自分からの逆襲』だと思う。
だから内容は全部悪夢だ。
怖いんじゃなくて、嫌とか不快な悪夢だから滅茶苦茶疲れる。
でも自分に負けるのも癪だから全力で抗う。
先日暗い視界が開けると、そこは低いビルの屋上だった。
(あー、もう寝たのか。)
そう思いながらいつも行っている確認をする。
「あー、あー、これは夢だ。これは夢だ」
大声を出すとエコーが掛かる。いつもの反応だ。
次に両足で床を強く踏む。体の感覚は正常だ。
最後に飛べるかテスト。
ジャンプをすると高く舞い上がり、ゆっくりと降下。
少しずつ高さを増していって、最終的に空中浮遊ができるか確認。
確認完了。これは夢である。
しかし自分の思い通りに夢を進めるのは難しい。
何故なら起きている間殺してきた俺から逆襲されるターンが睡眠だから。
毎回同じ場所で迷っては目的の駅に辿り着けない。
地下アイドル達が歌って踊っている路地。階と階を不規則に繋ぐエスカレーター。
クスリをキメた悪そうな青年達が何の葉っぱか分からない巻き紙煙草を吸っている区画。
<<続く>>