ノーガードという戦法(但し勝てるとは言っていない)

日々の思考を徒然とキーボードで打つブログ。

若者の最先端たる渋谷に見る光と影。

渋谷。

それは若者や観光客で賑わうジャパンカルチャーの象徴。

怪しい宗教の勧誘、アイドルのMV撮影、名も知らぬ人間の街頭演説、新たな価値観や常識を覆そうと励む大学生。

スクランブル交差点では実に様々な人間が文字通りスクランブルしている。

 

ーーーここまで書いておいてなんですが、僕はライブ以外では渋谷に行かないのでハチ公出口から道玄坂の間しか知らないです。

その狭い区間で見る光と影を書きたいと思います。

 

午後3時前後の渋谷は恐らく光のピークです。

外国からの観光客がこぞってビデオを回していて、上京したてであろう眩しい若者が期待に目を輝かせながら歩き、モデルかと見紛うザ・渋谷なオーラ全開のお兄さんやお姉さんが肩で風を切っています。

そこに影は微塵も感じられません。ただ輝く未来や成功だけが満ちています。

 

ライブが終わって会場を出るのは大体午後10時過ぎです。

すると渋谷には一転して影が蔓延っています。

道玄坂の車道には沢山の大型トラックが並び、様々なイベントの撤収作業で裏方の方々が額に汗をかき汚れにまみれながら働いています。いわば夢の後片付けです。

通りすがる女性達も過度なダイエットで不健康な程痩せた体に濃いメイクという外見が目立ちます。輝く世界には上れなかった、それでも渋谷という街を捨てられない傷付いた翅の蝶は、偉いらしい大人の男達を相手にして生きる糧を得るのでしょう。どう見積もっても年齢が不釣り合いな男女がホテル街へと消えていきます。

これが最後の戦とばかりに必死にナンパをしている男達はホストなのかもっとヤバイ組織の人間か、着飾ってさえいて性別が女性ならばお構い無しに声をかけています。

駅に着くと力尽きて壁際に転がる若者達もいます。終電まで少し休ませた方が良いと仲間達が判断し、水を買ってきて飲ませていたり。泥酔している当人は決まって「大丈夫」と笑っていますが見て分かるレベルで大丈夫ではないです。

 

あの昼間の希望や期待はどこへやら、夜の渋谷はとても無惨な闇の街と化しているのです。

そしてそこに居る人々は恐らくかつては昼間の側に居た存在です。

渋谷という街はこの光と影によって成り立つモンスターの様な街に思えてなりません。

犠牲になる者とその屍を踏み越える者。そんな構図を成立させている大人の力。欲望の力。そこに際限など無いのでしょう。

 

個人的にはその夢の亡骸に親和性を見てしまうので、渋谷に住んだらそれはイコール自殺だと思います。

渋谷は僕を殺してくれそうな街、なのです。