モルモットの意外な弱点。
4月から飼い始めたモルモット。
今悩んでいるのは運動不足である。
モルモットはテンジクネズミの品種改良によって生まれた人造生物だ。
よって本来はネズミ並みの運動力を誇る。
実際逃げ足はとてつもなく速いし、ネズミの中でも圧倒的瞬発力があると定評らしい。
が。
この品種改良はそもそも食肉調達の為に行われたものの為、種としては自然界では生きていけない改良もされている。
その最たる物が『不器用』なのだ。
例えばハムスターなら回し車を設置すれば勝手に運動してくれる。
が、モルモットに回し車を与えると爪を引っかけて事故になる。
ジャンプ力が無いので上下運動も無理。
通気性を考えて巣の下にスノコを敷こうものなら事故になる。
藁を編んだ物を敷いても事故になる。
脚力の弱さと爪や足の貧弱さ、そしてそれらを上手く使えない不器用さとでまずケージ内での運動量を稼げないのである。
そしてもう一点。
これは個体差もあると思うが宅のモルモットは群を抜いてビビりである。
どこにもぶつからず事故も起こさないペット用サークルを起き、更にセーフルームとして普段篭っている家も中に設置するのだが、まず家から出ない。
ケージの中もある程度安全だと理解はしている様だがペレットや干し草も出来る限り家に引っ張り込んで中で食べている。
だからと言って荒療治とばかりに家を撤去しようものならこの世の終わりかの如くパニックになり走り回ってケージにぶち当たるので無理。
不器用&小心者という致命的な弱点によって全く運動量を稼げない。
しかしモルモットはネズミなので何かを噛んでいないと歯がどんどん伸びてくる。
歯を削る為には硬い物をかじり咀嚼しなければならない。
すると自動的に食べる事が最優先になる。
量を食べて運動しなければ未来は体重増加の他に無い。
しかも脚力が貧弱なせいで関節も弱く、体重が増えるのは関節へのダメージに直結する。
加えて体内でビタミンBを作れないので経口摂取させなければならない。
通常食+ペレット(総合栄養補助食品)+生野菜。
この3種類を食べてもらわないと健康面に問題が生じるのだ。
食べてもらって運動してもらって……というのは、飼い易さを重視して造られたモルモットにはあまりに厳しい。
食肉時代は産んで増やして食べられれば良かったが、今はペットである。
ペットというのはお互いに幸せになろうという契約である。
家から出ようとしない引きこもりモルモットをどう運動に導くか……。
これは完全に想定外だったので飼い主として右往左往している。
ケージの外も安全だし、走りやすいようにサークルの底も工夫した。だから頼む、運動してくれ……。